子供の怒りっぽさに悩んでいませんか?
すぐに怒る、いつも怒りっぽい、そんな我が子と付き合っていると、うんざりしてしまうこと正直あるかもしれませんよね。
でも、心配しないでください。
学校でも同じようなことがあります。
そんなケース、お子さんとどのように付き合っていけばよいか、これまでの教師経験を踏まえて解説します。
教員歴22年の元教頭先生|小1から小6まですべての担任を経験|教務主任、教頭を経て退職|現在は子育てや家庭学習に役立つ情報を発信|子育て中のお母さん、お父さんを応援中|
子供の怒りっぽさの背景にあるものは何か
怒りの「もと」や「どうすればいいか」を分かっていない
まず最初にご理解いただきた点は、お子さんの「怒りっぽさ=何かを伝えようとしている」のかもしれません。
それは苦しみかもしれないし、悲しみかもしれないし、もしかしたらただ理解されたいだけかもしれません。
怒りって、言葉以上にパワフルなエネルギーがありますよね。
そして子供たちはそのエネルギーをコントロールする術をまだ身につけていないことが多いのです。
つまり、お子さんは適切な感情表現をしらなくて、様々な感情が「怒る」という表現になっているのかもしれないということです。
もしそうなら、私たち保護者は、お子さんが怒りと上手に向き合い、自分の感情を理解し、それを正しく表現できる方法を一緒に見つける手助けをすることです。
これは「怒り自体を直す」ことではなく、「怒りと上手に向き合う」ことを学んでいくことなのです。
心のコントロールは難しいが、大人がモデルを示すこと
お子さんが怒りとどのように向き合っていくかを学ぶためには、「モデル」が必要です。
そしてそのモデルになるのは、私たち大人、特に保護者の方々なのです。
だって、子供と一番長く一緒に過ごし、無償の愛を注ぐのは保護者以外にはいないのですから。
子供たちは、周りの人々から学びます。
大人がどのように感情をコントロールし、どのように行動するのかを見ながら、子供たちは同じように振る舞い、自分の感情をコントロールする方法を学んでいきます。
たとえば家で、何か怒ってしまうような状況になったとき、その現場にいる大人がどのように対処するかで、子供たちは大きなメッセージを受け取ります。
つまり、大人が冷静を保ち、問題を解決する方法を模索していると、子供たちは「感情を落ち着かせ、問題解決する」ことが可能であると、大人の姿を見て学ぶのです。
しかし、自己管理は難しいのが現実ですよね。
でも大丈夫、完璧な大人である必要はありません。
誰もが時折、感情的になったり、イライラしたりするものです。
大切なのは、その後どう振る舞うか、そして子供たちに対する自分の行動をどのように説明するかです。
たとえば、大人であるあなたが、子供の前でイライラしてしまったときは、それを認め、あなたがどうしてそうなったのかを説明するようにしてください。
そして、どのように気持ちをコントロールし、よりよい解決のために何をしたのかを子供に見せてあげてください。
このように、大人、特に保護者が怒りをコントロールしたり乗り越えたりする「モデル」を示すことで、お子さんも自分の感情を理解し、適切に表現する方法を学んでいくことでしょう。
保護者の役割と関わりのポイント
具体的なアプローチ
では実際にお子さんが怒っているとき、保護者であるあなたは、どんなふうに対処しますか?
- 同じテンションで怒っていること自体を叱る
- おこらずになだめる
- 理由を聞く
- 落ち着くまでスルーする
よくある対応はこんなところかと思いますが、みなさんはどうでしょうか。
ここで保護者が関わる時に大切なことは、怒りに隠れた「要求」や「気持ち」を引き出すことです。
では、どうすればよいか。
次のように声を掛けます。
- 本当はどうしたかったの?
- どんな気持ちだった?
- 次からどうしたい?
具体的に子どもの気持ちを表現させることで、自分の気持ちに気付かせます。
そして、それをどのように処理していけばよいのかを一緒に考えていくのです。
たとえば、子供が
ともだちがぼくのおもちゃを勝手に使う!!!!
とイライラして怒っているとします。このとき、
「どうしてほしかったの?」ときけば、「使う前に聞いてほしかった」と自分の望む状況がに気付き、次からそのように言おうねと促すことができます。
「どんなきもちだった?」と聞けば、「ぼくもそのおもちゃで遊びたかったからいやだった」と自分の感情に目を向けることができます。
このように、自分の感情に気付いていけば、怒りとして表現したり暴力に訴えたりすることをだんだんと減らし、そのかわりに、自分の気持ちを言葉で表現していこう、伝えていこうとアドバイスすればよいのです。
分かりやすいルールで子どもに見通しを与える
お子さんが怒りっぽくなるとき、それはどうすればいいかを知らないことが原因かもしれません。
そういうときは、お子さんにとって理解しやすい明確なルールを作ってあげましょう。
例えば、「おもちゃを片付けないと、次の日に遊べない」という簡単なルールを設けることです。
これによって、お子さんは「おもちゃを片付ければ、明日も遊べる」と。自分の行動がどのような結果につながるのかを理解できます。
間違ってほしくないのは、これが「罰を与えている」ということではないということです。
ルールは、お子さんが自分の行動や感情を理解し、上手く扱うための道しるべなのです。
そして、それを説明し、理由を教えてあげると、お子さんは納得して行動できますよ。
子育てに必要なマインド
子育ては、日々違うギフトをくれる冒険ともいえます。
同時に、それは私たちが学び、成長できる最高の瞬間でもあります。
もしもお子さんが怒りっぽいとき、子供と関わるって難しいと感じるかもしれません。
でもそれは、あなたが新たな子育てスキルを磨き、より強くなれる絶好の機会です。
大切なのは、うまくいかなくても自分自身を許し、そして多くの保護者が子育てに悩んでいるということを忘れないことです。
全ての保護者が、時には混乱したり、解決できない問題を抱えているのではないでしょうか。
これはとても自然なことですし、その瞬間こそが、新しい視点を見つけ、成長するチャンスです。
思いやりと寛容性を持つこと。
これが最も重要なマインドです。
そして、その思いやりと寛容性は、まず最初に自分自身に向けましょう。
子育てがうまくいかない自分を否定するのではなく、自分に寄り添って、自分自身を理解しましょう。
そうすることで、お子さんに対する理解も深まります。
そして最後に、支えが必要な時は遠慮なく誰かに助けを求めてください。
あなたは一人じゃない。
すべての子育ての方法に正解はありませんが、あなたの努力は、お子さんの成長だけでなく、自身の成長にもつながっています。
まとめ
子育ては挑戦でもあります。
お子さんが怒りっぽくなるときでも、あなたのよりよいサポートで、お子さんは成長できます。
理解とコミュニケーション、明確なルールと結果の提示、そして何より親としての愛情と寛容性があれば、お子さんは自分の感情を理解し、それを適切に表現する方法を学ぶでしょう。
そして、あなたは一人ではありません。
大切なのは、自分自身を許し、自分自身の成長を信じることです。
この記事を読むあなたは、お子さんのことを真剣に考えているわけです。
つまり、もうすでに素晴らしい親であることを忘れないでください。