うちの子、ちっとも本を読まないな…
読書は大切なのに…
こんな悩みをお持ちのお父さん、お母さん、いらっしゃいますよね。
この記事では、小学校の教員として長く勤めた経験から、子どもを読書好きにする方法を解説します。
合わせて、おすすめの本も紹介します。
この記事を読んで、お子さんと楽しい読書タイムを作ってみてください。
教員歴22年の元教頭先生|小1から小6まですべての担任を経験|教務主任、教頭を経て退職|現在は子育てや家庭学習に役立つ情報を発信|子育て中のお母さん、お父さんを応援中|
読書好きの子にするためには?
読書好きな子供に育てるために必要なことをお話しします。
本をただ読むだけより、どうしたら本を好きなるかを知っていた方が、効果倍増だと思いませんか?
おすすめの本だけ知れればいいぞ!という方は、すっとばして後半部分を読んでくださいね。
自分の子どもが本を好きになってくれるといいな。
そう願う親は多いですよね。
だって本が好きだということは、賢くなるための近道ですから。
なぜそう言えるのか具体的な理由は説明できなくても、なんとなく感覚的にそう感じている人は多いと思います。
実際、本が好きな子は国語や算数が得意になる傾向が見られるように思います。
長い間子どもたちと接していて、読書の習慣は、言葉の力やイメージする力、知識の量、豊かな感性など、その子の能力に繋がっていると感じます。
では、どうしたら読書が好きな子に育てられるのでしょう。
「本をよみなさい」と繰り返し言う?大人の思うようにはなかなかいきませんよね。
読めと言えば言うほど読みたがらない、そんなパターンもあるのではないでしょうか。
または、しぶしぶ読むけど、長続きしない。
そんなときは、次の方法を試してみてください。
そんなに特別な方法ではありません。
どちらかというと当たり前のことばかりかもしれませんが、当たり前すぎてやってなかったなと思う方はぜひ試してみてください。
読み聞かせをする
本の楽しさを味わわせるために、一緒に読書をします。
読書が好きではない子は、放っておいても一人で本を読む、なんてことはないですよね。
だから、一緒に読むのです。
本の楽しさを知れば、そのうち一人でも本を開くようになるでしょう。
そうしたら、しめたものです。
あとは、いろいろな本に触れられるよう、環境を整えていけばよいのです。
ただし、お子さんが嫌がっているのに無理強いはしないようにした方がいいですね。
身近に本を置く
子どもの身近なところに本を置いてください。
ただし、勉強やほかの道具など、子どもにとって頑張りが必要なものと同じところに置くのではなく、楽しいものや楽しいことをする場所の近くに置くようにしましょう。
「本は楽しいもの」というイメージを身に付けてもらうためです。
たとえば、教科書や学校の道具と一緒に置くのではなく、いつも遊ぶスペースやおもちゃの近くなどに、整頓してコーナーを作るとよいかもしれません。
興味のある本を選ばせる
読み聞かせをしようと思うと、ついつい親が本を選んで与えがちではないですか?
お子さんと一緒に本屋に行ったり、図書館に行ったりして、興味のある本を自ら選ばせてみましょう。
どんなジャンルでもよいと思います。
極端なことを言えば、読み聞かせに向かない図鑑などでもよいのではないでしょうか。
興味をもつことは「好き」への入り口だと思います。
読書の時間を設ける
毎日決まった時間に、読書の時間を設けることで、子供が読書に慣れ親しむことができます。
また、自分で読書の時間を設定する習慣も身につけることができます。
ただしこれは、お子さんの状況に合わせて行うとよいです。
読書に苦手意識を持っている子に、無理やり読書の時間を設けてもいやな気持になるだけです。
そのような場合は、まず、本の楽しさを伝えることを優先しましょう。
仕掛け絵本、字のない絵本、音が出る絵本、図鑑絵本……ジャンルを工夫してみてください。
読書を楽しむ環境を整える
読み聞かせなら、親子でゆったりと過ごせる時間を選ぶ。
一人で読書をするなら、快適に過ごせる室温や明るさを調整する。
周りを片付けて本に集中できるようにする。
このように、お子さんが純粋に読書を楽しむことができるような環境を整えてみてください。
おもちゃがたくさん散らばった中で読書をしていたら、すぐにおもちゃが気になり始めて、集中が続かない、なんてことが起こりそうですもんね。
また、図書館へ一緒に出掛けて好きな本を手に取り、静かに読書を楽しむ経験もよいかもしれません。
小学校低学年までに読んでほしい、人気の読み聞かせ絵本7選
さて、ここまで、読書好きな子にするための方法を説明しました。
ここからは、私がおすすめする読み聞かせの絵本を紹介しますね。
有名なものや知っている作品も多々あると思いますが、もし興味のわく本があれば、ぜひ手に取って読んでみてください。
くまのがっこう シリーズ
文:あいはらひろゆき 絵:あだちなみ
「くまのがっこう」シリーズは全部で15作。(オリジナルシリーズ以外に数点の作品があります)
やさしいおにいちゃんくまと、やんちゃでげんきないおんなのこジャッキーの日常を描いた温かい雰囲気のお話です。
特別ではない日常だけど、ゆかいでたのしいくまの子たちの生活を、絵本を通じて子どもと一緒に楽しむことができます。
小学校入学前~低学年向け。
ノンタン シリーズ
作:キヨノ サチコ
おなじみのシリーズですね。
私も子供のころに読んでもらったし、1年生の担任をすると教室に置いておきます。
子どもならだれでも出くわすような対人関係の問題など成長の過程で学ぶべきことを分かりやすく勉強できちゃうシリーズだと思います。
はらぺこあおむし
作:エリックカール
こちらも有名な一冊ですね。
この絵本のすてきなところは、色彩の美しさと仕掛けの楽しさです。
いろんなものを食べて大きくなる青虫ですが、毎日食べるものが変わっていき、ひとつずつ増えていきます。
そんなリズムのよい展開と穴の開いた仕掛けをお子さんと一緒に楽しんでください。
おまえ うまそうだな
作:宮西 達也
アンキロサウルスのあかちゃんのまえにあらわれたティラノサウルス。
「ガオー!おまえうまそうだな」と、たべられちゃうのかな?というドキドキの始まり。
だけど、そんなティラノサウルスにアンキロサウルスのあかちゃんが言った言葉は…
宮西さんの作品はどれもそうなのですが、この絵本は特に感動の名作だと思います。
私は読んでいて、これも愛だなと感じる1冊でした。
こんとあき
作:林 明子
「あき」は生まれてからずっと、きつねのぬいぐるみ「こん」といつも一緒に育っていきます。
成長の過程をともにすごすぬいぐるみ。そんなこんの腕がだんだんとほころびていってしまいます。
おばあちゃんに直してもらうため、こんとあきは汽車に乗って出発……
こんとあきがおばあちゃんの家を目指して遠くに出掛けるお話です。
ちょっとドキドキしたり、ほっとしたり。
子どもが引き込まれる、心温まるストーリーを楽しめます。
みんなのためのルールブック「あたりまえだけど とてもたいせつなこと」
著:ロン・クラーク 訳:亀井よし子
これは絵本という部類ではないかもしれませんが、社会で生きていく上で必要な「あたりまえだけど とてもたいせつ」な50のルールを、子供向けにわかりやすく説明しています。
大人も一緒に読んで、改めてマナーについて考えることができます。自分の子どもがよりよく成長するために、周りの人を大切にするルールやマナーをきちんと身につけさせたいですね。
はじめてであう すうがくの絵本
作:安野 光雅
この時期の子どもたちは、いろいろなことに興味津々なはずです。
そういう時期に科学に出会うことはとても重要。
子どもの可能性の幅を広げるのです。
この本は「すうがく」の考え方やジャンルを極めて簡単に楽しめます。
親子で一緒に問題にチャレンジしてみてください。
ひょっとしたらこの本でお子さんが科学に目覚めるかもしれませんね!
まだまだほかにもたくさんあると思います。ぜひ、お子さんにとってお気に入りの1冊を探してみてください。
それが、生涯の宝物になれば、すてきなことですね。