【元教師が解説】子どもの心を育てるのに読み聞かせがよい2つの理由

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結論から言います!

読み聞かせが心を育てるのによい理由は次の2つです。

  • 言葉や知識を増やしていくことで、感性や想像力が育ち、心も育つ。
  • 親子のコミュニケーションで、安定した情緒を手に入れることができる。

いきなり、こう書かれても、ちょっと説明不足ですよね。

ですから、このことを深堀りしていきます。

さらに、おすすめの童話・絵本の選び方や紹介、読み聞かせを楽しむためのコツやポイントも解説します。

お子さんの素直な姿を見たいパパママさんはこの記事を読んで、ぜひ読み聞かせにチャレンジしてみてください。

この記事で分かること

●童話や絵本を読み聞かせることのメリットは?
子どもの言葉や知識を増やし、感性や想像力を育てることができます。また、親子のコミュニケーションを深め、子どもの心の成長につながります。

●読み聞かせのポイントは?
子どもに合わせた適切なテンポで読み上げること、表情や声色を工夫すること、絵を見せながら読み進めることなどです。

●どのようにして本を選べばよい?
子どもの年齢や興味に合わせたものを選ぶことが重要です。テーマや著者、イラストレーターに注目して選ぶこともあります。

この記事を書いた人

教員歴22年の元教頭先生|小1から小6まですべての担任を経験|教務主任、教頭を経て退職|現在は子育てや家庭学習に役立つ情報を発信|子育て中のお母さん、お父さんを応援中|

目次

読み聞かせが心を育てるのによい2つの理由

理由①親子のコミュニケーションで、情緒が安定する

お子さんの心の成長って、親にとっては重要な関心ごとじゃありませんか?

できれば、人の気持ちが分かる、やさしい、前向きな、好奇心のある、自分を大切にする、感受性の豊かな、そんな子に育ってほしいですもんね。(欲張りすぎですか?)

三つ子の魂百まで、とはよくいったもので、小さいうちにどんな経験をして、どのように心が育っていくかは、お子さんの一生に関わる大切なことだと思います。

じゃあ、それをどこで身に付ける?

家庭ですよ!子どもたちにとって、家庭は最初の学びの場だし、親は最初の教師です。

ですから、親が読み聞かせによって子どもと適切に関わることって、とっても重要だと思うんです。

読み聞かせをすることで、親子の絆を深め、共通の話題や感情を共有することができます。

こんなふうに、親子が上質な関わり方をすれば、子どもたちの情緒は安定し、心が育っていくのです。

理由②言葉や知識を増やすことで、感性や想像力が育つ

ちょっと日本語のきれいな表現だったり、情景描写だったり、比喩などの表現に心を動かされたことをありませんか?

そうした表現を味わうことで、子どもたちは豊かな言葉や表現を学ぶことができます。

読み聞かせをすると、言葉のシャワーを浴びて、お話の世界を想像することになります。

そんな中で、子どもたちには言語能力や想像力が育まれます。そして、コミュニケーション能力へとつながっていくのです。

語彙が増えれば自分の気持ちを的確に表現できるようになるし、想像力が育てば相手の気持ちを推測することができるようになることは、なんとなくイメージできますよね。その先に、コミュニケーションの力があるのです。

だから、本を読むってお子さんにとってとてもいいことなんです。

また、童話には様々な価値観や人間関係が描かれているので、それを理解することでより豊かな人間性を身につけることができます。

これまでの教師生活を振り返ってみても、こうやって心豊かに育った子は、きっと小学校でも順調に生活をしていけると感じます。

子育て真っ最中の皆さん。この記事を読んで、読み聞かせの大切さや効果を確認してください。

読み聞かせで、どんなふうに心が育つのか

童話を読み聞かせることで、子どもたちの心の成長に大きな影響を与えることができます。

まず、子どもたちは登場人物に共感し、自分自身の感情と比べたり人物に寄り添ったりします。

それが、自分の心を理解することにつながるのです。

例えば、童話「ウサギとかめ」を読んで、かめの努力する姿を見てお子さんは「すごいなぁ」とか「自分もこうしたい」とか「ぼくはきっと休んじゃうな」とか、自分のいろいろな気持ちに気付くということです。

また、童話には様々な価値観やモラルが描かれており、子どもたちはそれらを学ぶことでより豊かな人間性を身につけることができます。

さらに、童話には困難に立ち向かい、問題を解決するといったストーリーのものも多く、子どもはそれを通じて自分自身の問題に置き換えたり人生に生かしたりということを無意識にまたは意識して思うのです。

また、読み聞かせを通じて親子のコミュニケーションが深まり、子どもたちは安心感や愛情を感じることができます。

これらの効果を通じて、童話を読み聞かせることで子どもたちの心が健全に育っていくのです。

童話を選ぶ時のポイント

年齢別に選ぶ際のポイント

子どもの年齢に合わせて選ぶことはとても効果的です。

年齢に合わせて選ぶことで、子どもの興味や理解度に合わせた内容を提供することができます。

具体的には以下のポイントがあります。

年齢に合わせたストーリーの選択

年齢によって子どもたちの興味関心がちがいます。

例えば、幼児期の子どもたちは、単純で明快なストーリーが好きです。

大人のような深いテーマよりも、身近な話題や動物たちの活躍する話が好きです。

一方、小学校高学年になると、冒険や成長、友情などのストーリーが好まれるようになります。

文字数や文章の長さの確認

年齢に応じた文字数や文章の長さに気を付けましょう。

一般的に、幼児期の子どもたちは、長い文章や細かい描写が苦手です。

文字数や文章の長さに配慮した絵本を選ぶことが大切です。

このあたりはお子さんによって個人差があるので、お子さんに合わせてください。

良質な絵本の選択

年齢に合った内容やイラストの、質の良い本を選ぶことも重要です。

質の良い本に出会うことで、子どもたちは豊かな感性や想像力を育み、また、美しい絵に親しむことができると思います。

テーマ別に選ぶ際のポイント

童話には、多様なテーマが含まれています。

子どもたちの興味関心に合わせて、テーマ別に童話を選ぶことも効果的です。

例えば、以下のようなポイントがあります。

子どもたちの興味関心に合わせたテーマ

例えば、動物たちの活躍する話、おとぎ話、冒険物語、ファンタジーなど、お子さんが興味を持ちそうなテーマはありませんか?

子どもたちが学べるテーマ

童話には、道徳的な教訓や社会的な問題を扱ったものや、 友情や家族愛などの感情を扱ったものが多くあります。

こうした作品は、他人との関わり方や人間関係の大切さを教えてくれます。

勇気や努力などの成長を描いたテーマ

このようなテーマのお話は、子どもたちに自分自身の成長について考えるきっかけを与えてくれます。

自信を持ってチャレンジする姿勢が育つといいなと思います。

社会的な問題を扱ったテーマ

人種差別や貧困など、世の中の問題を童話を通して子どもたちに教えることができます。

このテーマは少し大きな子たち向けかもしれません。

子どもたちはこれから社会を知っていくのですから、世の中の問題について理解を深めるきっかけを作ることは大切だと思います。

著者やイラストレーターに注目して選ぶ際のポイント

有名な作家の作品は多くの人々に愛されているだけでなく、その作家独特の世界観やメッセージを伝えることができます。

イラストレーターが描く絵も童話の世界観を表現する上で重要な役割を果たしています。

魅力的な絵が描かれた童話は子どもたちにも好まれますし、感受性を育てることにもつながります。

ちなみに私は、「スイミー」や「フレデリック」で有名なレオ=レオニさんの作品が好きです。

谷川俊太郎さんの訳した美しい日本語も作品の楽しさの一つだなと感じます。

元教頭先生が選ぶ、心を育てる童話3選

ここからは、心を育てるのにいいなと思う童話を3つ紹介します。

長年、子どもと関わってきた経験から、独自の目線で紹介します。

もうすでに読んだよ!という方もいらっしゃるかもしれませんが、まだ読んでいないという方は、もしよければお子さんと一緒に読んでみてください。

イソップ童話

だれでもタイトルくらいは聞いたことのある童話集だと思います。「うさぎとかめ」や「アリとキリギリス」は有名ですよね。

イソップ童話は、今から2500年以上前に、古代ギリシャの奴隷だったアイソーポスという人が、人々に語ったとされる寓話です。

数分で読み切れるお話がたくさん含まれています。

動物が登場する話も多く、子どもにとって読みやすいはずです。

イソップ童話のいいところは、道徳的に考えられるところだと思います。

ストーリーが分かりやすくて、登場人物が極端になまけものだったり、ズルだったり、いじわるだったり。

そうした場面はどれも教訓に満ちています。登場人物の気持ちやその後の人間(動物?)関係を想像することや、人物の行動を道徳的にどう感じるかなど、子どもの心の成長を促すきっかけがたくさんあるのです。

読んだ後でついついお説教をしたくなってしまいますが、それはなるべくガマン(笑)

お子さんの感想や考えを聞きながら読んでいただけたらと思います。

私も自分のクラスで、時間のある時に子供たちと一緒に読んでいました。

めちゃくちゃおすすめです!

新美南吉さんの作品

教科書に載っていた「ごんぎつね」があまりにも有名で、お父さんお母さんも一度は読んだことがあるのではないでしょうか?

新美南吉さんには多くの作品がありますが、どれもきつねや動物がたくさん登場します。

そのどれもが、親子の愛情にあふれていたり、人との関わりで揺れ動く心情を味わったりできる作品です。

そうした登場人物の気持ちが、お子さんの心に響いていくといいなと思います。

ノンタンシリーズ

こちらも有名なシリーズで、この記事を読んでくださっているお父さんお母さんも、一度は目にしたことがあるのではないかと思います。

しかし、ネットを見ていると、これは賛否両論あるみたいですね・・・

ノンタンの行動が意地悪で、読んだお子さんも意地悪な行動をするのが心配、というのが主な内容のようです。

たしかに、ノンタンが意地悪なことをするお話が多いのですが、全部がそうではないです。

それに、ノンタンのよいところは、作中でちゃんと反省するところです。

なので、それも含めてお子さんにきちんと読み聞かせたり、読後に話しかけたりすれば、反面教師としてよい学びになるはずだと思います。

私も実際に、低学年を担任した時は、道徳の時間などに子どもと一緒に読んでノンタンの行動について考えていました。

扱い方さえ間違えなければ、よい絵本だと思います。

家庭での読み聞かせの楽しみ方やコツ

最後に、家庭での読み聞かせを楽しむためのコツをご紹介します。

リズムや音声表現を意識する

童話にはリズムや音声表現があります。

例えば、繰り返し同じフレーズが出てきたり、同じリズムで構成された文が出てきたりするところです。

また、様子を表す音なんかもよく登場します。

それらを大切にし、おうちの方ご自身の声で表現することで、子どもたちが興味を持ちやすくなります。

子どもの反応をよく観察する

子どもたちは素直で、お話で心が動いているときは、必ず反応しています。声が出たり、体が動いたり。

反応には個人差がありますが、例えば目を見開いたり、だんだんと前のめりになってきたりと、何かしらの反応をすることが多いと思います。

そうした反応をよく観察して、もっと盛り上げたり、さらっと読んだりしてみてください。

また、子どもが疑問を持っているときには、その疑問に答えたり、一緒に考えたりしてみてください。

場所や時間を決める

読み聞かせをする場所や時間を決めることで、子どもたちはその時間が読み聞かせの時間であることを理解しやすくなります。

また、落ち着いた場所で読み聞かせをすることで、子どもたちが集中しやすくなります。

本を選ぶポイントをはずさない

前述しましたが、お子さんに合った本を選ぶことが大切です。

せっかくの読み聞かせですから、年齢、興味、目的などに合わせて本を選び、効果を高めるようにしてくださいね。

まとめ

読み聞かせで心を育てるために、おすすめの作品を紹介しました。

読み聞かせは、子どもとのコミュニケーションになるし、子どもの感性を育てる効果的な方法でもあると思います。

大切なのは、おうちの方と一緒に読んで、作品について考えることではないでしょうか。

ただ、本を与えて、読ませっぱなしにするのではないのです。

それは、読み聞かせの習慣がついて、本に興味をもち始めてから。

それでは、お子さんと楽しい読書タイムを!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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