ただ読むだけでは効果なし?頭がよくなる読み聞かせのコツを元教師が解説

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寝る前に本を読んでもらった経験、多くの人があるのではないでしょうか。

本を読むことが子どもの成長に役立つことは、みなさん、なんとなく感じていると思います。

この記事では、小学校の教員を20年勤めた筆者が、読み聞かせの効果について深堀りします。

記事を読んで、ぜひお子さんに本を読んであげてください。

もちろん、寝る前だけじゃなく、どんなときでも、読み聞かせはおすすめです!

この記事を書いた人

教員歴22年の元教頭先生|小1から小6まですべての担任を経験|教務主任、教頭を経て退職|現在は子育てや家庭学習に役立つ情報を発信|子育て中のお母さん、お父さんを応援中|

目次

読み聞かせの効果は?子どもに与える影響とそのメリット

子どもにとって読み聞かせは、本に出会う、または読書に出会う大切な機会であり最高の方法でもあります。

読み聞かせは、子どもたちの様々な能力を伸ばすことが知られています。以下に簡単にまとめます。

言葉の力の発達

読み聞かせによって、子どもは自然に語彙を増やしたり文法的な理解を促進したりします。

絵本や物語を通じて、子どもたちは新しい言葉を覚え、自分自身で表現する力を身に付けることができるのです。

読解力の向上

読み聞かせを聞くことで、子どもたちは文章の流れや内容を理解する力が身に付きます。

物語に登場する人物や出来事について考えることで、読解力が向上するのです。

社会性の発達

子どもは登場人物や出来事から、様々な感情や価値観に触れます。

読み聞かせを通じて登場人物の感情や価値観について考えることは、言ってみれば、相手の気持ちを考える力を育むことです。

たくさんの本に触れて、社会性の基礎となる部分が育ちます。

想像力、創造力の育成

絵本や物語の世界に没入することで、自分自身でお話を広げることができます。

そのような経験がこどもの想像力、創造力を育みます。

また、読み聞かせは子どもの力を伸ばすだけでなく、親子のコミュニケーションの時間をつくるというメリットもあります。

読み聞かせを通して親子で十分な会話をしたり、近くに座ってその存在を感じたりする経験は、子どもの心の安定につながります。

実際、私がこれまで出会ったたくさんの子どもたちを振り返ると、しっかりと心が安定しているお子さんの多くは、親と十分に会話をしたり、きちんと話を受け止めてもらったと感じていたりするケースがほとんどでした。

共働きの家庭も多く、忙しい現代の社会ですが、たとえ15分でも、子どもと過ごす時間を意識的に作れるかどうかは、とても大切だと感じます。

読み聞かせの時間はどれくらいが適切か?

結論から言うと、これは一概には言えません(ごめんなさい!)

なぜなら、お子さんの状況によって適切な時間は変わるからです。

本が好きなお子さんなら、少し長め(小学校低学年なら30分程度)でもいいと思いますし、あまり本が好きではない、または読み聞かせを始めたばかりという状況なら短め(小学校低学年なら5~15分)くらいでいいと思います。

小学校入学前のお子さんなら5~15分。

1~3歳くらいのお子さんなら10分前後。

上記を一つの目安としていただき、あとは年齢やお子さんの様子に合わせて増やしたり減らしたりしてください。

また、どんな時に読み聞かせるかによって、適切な時間は変わるかもしれません。

例えば、昼間などゆとりのある時間なら少し長め。

逆に寝る前なら、いつまでも起きていてはいけないので、「短めの本を1冊」と決めて行うなどの工夫をするとよいと思います。

繰り返しますが、お子さんの状況に合わせて、読み聞かせを行う時間を変えてください。

大切なことは、子どもが嫌にならないように調整し、長く続けていくことです。

前に述べたように、読み聞かせはとてもよい効果があるのですから、せっかく始めたのなら親子の習慣として続けていけるといいですね。

子どもが夢中!おもしろい読み聞かせのコツ7選

読むスピードやリズムで場面の雰囲気を表現する

なんとなくイメージできますね。

早口で読めば、焦り、緊迫感などが子どもに伝わるし、ゆっくり読めば、穏やか、やさしい、あんしん、などの雰囲気が伝わります。

また、リズムよく弾むように読めば、たのしさ、ウキウキ、などの感情が伝わります。

場面や人物の心情を音声で表現してみてください。

声の抑揚、大小を使い分ける

先に述べたスピードやリズムと似ていますが、声の大小もまた場面の雰囲気や人物の心情を伝えるこつです。

ぜひ使い分けてみてください。

読みながら動きを付ける

読んでいる大人がお話に合わせて身振り手振りをしたり、布団の中でないのなら動き回ったり、ときには動物の物まねなんてしてみたり。

そういう楽しさが子どもをひきつけます。(もちろん本の内容に合わせてくださいね)

ページを開く前に少しタメをつくる

絵本は上手に構成されていて、ページをめくることは場面の切り替えになっていることが多いです。

子どもの「どうなっちゃうんだろう?」「つぎが気になるな…」の気持ちを少し高めてから、次のページをめくるようにしてみてください。

いつもとちがう雰囲気で読み聞かせをしてみる

読み聞かせは、ただ本を読むだけではありません。

例えば、少し暗くしてみるとか、読み聞かせの邪魔にならない音量でBGMを流してみるとか、効果音を用意しておくとかすると、子どもの気もちを高められるかもしれません。

読み聞かせ後にアクティビティをする

読み聞かせの後に、余韻に浸りながら感想を聞いたり、お話について質問タイムをしてみたりするのもいいかもしれません。

また、お話の続きを想像したり、お話の世界を絵に描いてみたりするのも楽しそうです。

ブロックや積み木でお話の世界を作ってみるのもいいですね。

読んでいる親が表情豊かに読む

これは、子どもとのコミュニケーションにつながると思いますが、親が真剣に本を楽しむ様子が子どもに伝わって、子どもも同じようにお話を楽しむことができるのだと思います。

また、子どもと一緒に楽しむ姿勢を、子どもは「自分のことを大切にしてもらえている」と無意識的に感じるはずです。

このようなノンバーバルな(非言語の)コミュニケーションも子どもの心の安定につながると思います。

これだけは気を付けたい!読み聞かせ成功のための4つのポイント

ここまで、読み聞かせの具体的なこつを紹介しましたが、最後に気を付けたいポイントを紹介します。

紙面を見せる

読み聞かせはお話を聞かせるだけでは効果が半減です。

絵本はイラストとストーリーで構成されており、イラストから伝わる気持ちや雰囲気もお話の一部です。

ですから、必ず紙面を見せながら読み聞かせるようにしましょう。

読もうと思う本をあらかじめ読んでおく

いざ音読してみたときに、つまってしまうことが多いと、お話になかなか没頭できません。

ですから、軽くでもいいので目を通しておく、できれば一度読んでおくとよいと思います。

選ぶ本に注意する

当たり前のことを言いますが、読み聞かせで選ぶ本は、お子さんが興味をもてる内容や絵のものがいいですね。

あなたのお子さんはどんなことに興味がありますか。

特に、読み聞かせを始めたばかりなら、お子さんの興味を大切にし、慣れてきたら本の世界を広げていけるとよいです。

また、これも当たり前かもしれませんが、年齢や発達の状況に合わせた内容の本を選ぶようにしてください。

そうでないと、本を楽しむという目的を達成できないかもしれません。

少し物足らないくらいで終わる

先にも書きましたが、大切なことは長く続けることです。

そのためには、少し物足らないくらいで終わるとか、「今日は1冊」と決めて読むなどの工夫をするとよいと思います。

これは、決めたことを守る、したいけど我慢をする、という経験でもあり、大切なしつけです。

それに、「物足らない」、「もう少し読みたい」という気持ちは、「また読んでね」につながると思います。

「また今度、一緒に読もうね」と言って終われるといいですね。

まとめ

読み聞かせはお子さんの成長にとって、たいへん効果的なものです。

読み聞かせは子どもの様々な能力を育てます。

また、親子のコミュニケーションの時間にもなります。

この記事でご紹介したコツやポイントを参考に、ぜひご家庭で読み聞かせを楽しんでみてください。

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