元教師が解説|読書感想文の書き方を小学生の子どもに教えるコツ

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お子さんは、夏休みの宿題の定番、読書感想文で悩んでいませんか?

苦手意識も手伝って、ついつい後回し。

こういうお子さん、少なくないと思うんです。でも、心配はいりません。

この記事をちゃんと読めば、感想文を書くコツが3分で分かります。

最後まで読んで、まずはおうちの方が感想文を書くコツをゲットしてください。

そして、ぜひお子さんに寄り添って読書感想文を完成させてあげてください。

この記事を書いた人

教員歴22年の元教頭先生|小1から小6まですべての担任を経験|教務主任、教頭を経て退職|現在は子育てや家庭学習に役立つ情報を発信|子育て中のお母さん、お父さんを応援中|

目次

はじめに、おうちの方にお願いしたいこと。

はじめに、一つだけお願いがあります。

それは、お子さんが自分の力で本を一冊読むこと。

私はこの記事で、感想文を書くお手伝いをすることはできます。

でも、読書のお手伝いはできません。

なので、本を1冊、手に取って読めるようにお子さんのフォローをしていただきたいのです。

なぜ、読書感想文を苦手と感じるのか

  • 本を読むのが苦手
  • 感想と言われても、特に思いつかない
  • 何を書いていいのか分からない

これまでの経験上、「感想文が苦手」というお子さんはだいたい、この中のどれかを理由にあげることが多いように感じます。

ここをもう少し深堀りしていきます。そうすれば、「感想文苦手!」を克服するアプローチとなるはずです。

本を読むのが苦手

これについては読書習慣の問題か、もしくは興味のある本に出会っていないか、という問題に行き着くと思います。

読書習慣はすぐに身に付くものではないと思いますので、今すぐにこの点を解決して感想文を書こうというのは、短時間では難しいでしょう。

そこで、お子さんが本当に興味のある本は一体何か?を探ることをお勧めします。

読書感想文を書くには、できれば読み物がいいわけです。図鑑やハウツー本なんかじゃ書けませんもんね。

ただ、読み物といってもジャンルはいろいろ。昔から読まれている名作の児童文学もあれば、新しい作家さんのものもあります。

ファンタジー、サスペンス、冒険、青春、恋愛、伝記、古典、時代物などなど。

お子さんが自分で本を選べなさそうなら、おうちの方がお子さんの好みにあいそうなジャンルをお勧めしてあげてください。

僕も子供のころを振り返ると、「晴れぶたシリーズ」や「ズッコケ三人組」シリーズ、「ぼくら」シリーズなど、読みたい!と思える本に出会ってたくさん読んだのを思い出します。

感想と言われても、特に思いつかない

特に思いつかない理由の一つに、「選んだ本の内容が薄い」ということがあるのではないでしょうか。

たとえば、感想文を書くときに、昔話「金太郎」の本を選んだとします。

感想文、書けますか?

1、2文なら何とかかけるかもしれません。でも、僕は「金太郎」で原稿用紙1枚書くとしたら、手が止まっちゃいそうです。

つまり、読書感想文を書きたいなら、「ある程度の内容がある」「ストーリー展開がある」「薄すぎない本」を選ぶべきです。

何を書いていいのかわからない

これは、作文を書くという経験値が足りていない状況です。

-作文を書く-とは、考えたことを文章化するという経験です。

この経験が少ないと、「何を書いていいのか分からない」となってしまいます。

感想文だけに限らず、日記や学習のまとめなどでを書くのも苦手なのではないでしょうか。

でも、大丈夫!心配しないで!

次の章では、そんなお子さんにも感想文が書ける方法をお伝えします。

一つだけ、大切なことがあります。

おうちの方へのお願いです!

この後説明する方法は、ぜひ、一緒に取り組んであげてください。

説明して、一人でやらせるのもいいかもしれません。でも。それだったら、「感想文かきなさいよー」って言えばできそうな気もします。

そうじゃなくて、苦手意識があるんですよね?

でしたら、最初のうちは、一緒に取り組んであげてほしいと思います。

簡単!誰でも読書感想文が書ける3ステップ

それでは、具体的な書き方を説明していきます。

めちゃくちゃ簡単です。だって、質問に答えていくだけでいいんですから。

基本の3ステップ

STEP
質問に答える

一つの質問の答えを1枚の付箋やメモ用紙に書きます。すべての質問に答えたら、複数枚の紙がストックされます。

STEP
出来上がった答えの紙を並べ直して、感想文の構成を考える

答えを書いた紙は、いわば感想文の材料です。感想文が自然な展開になるように並べ直してください。

STEP
清書する

この時、答えの紙を読み直して推敲ができるとなお良いのですが、難しそうならそのまま書いてもよいと思います。ただし、原稿用紙のきまりは意識してできるように声掛けをしてあげてください。

どうですか?そんなに難しくないでしょ?

では早速、取り掛かりましょう!

準備するもの

大き目の付箋(もしくはルーズリーフ、大き目のメモ用紙など)、筆記用具、読んだ本

ひとつ、大事なことを忘れていました。

まず初めに、お子さんにこう言ってあげてください。

「先生に読んだ本のことを報告するように書くんだよ」

これはどういうことかというと、感想文って誰に向けて書くものかが明確じゃないので、書き方に困ってしまう、という側面もあると感じるのです。

だから、担任の先生に報告する、というように、読み手をはっきりさせれば、文章も書きやすくなるのではないかと思います。

以下の質問に答えてください

それぞれの質問ごとに、別々の紙に答えを書くようにしてください。

一つ一つの答えはそれほど長文でなくても、たくさんの質問があるので、結果として原稿用紙1~2枚くらいの読書感想文が出来上がると思います。

全部の質問に答えられなくても気にする必要はありませんので、できそうなものにトライしてみてください。

(ただし、材料が少なすぎると感想文が成立しませんのでご注意を)

おすすめの方法は、おうちの方がインタビュー形式でお子さんに尋ねていく方式です。

マイクを差し出すジェスチャーをしたりして。案外、楽しく進められますよ。

☑どうしてこの本を選んだのですか?

☑タイトルを見たとき、どんなことを想像しましたか?

☑この本の内容を簡単に説明してください。

☑この本の内容を簡単に説明してください。

☑全部読み終わったとき、内容について最初に思ったことは何ですか?

☑出てくる人物の中で、一番、自分と似ているなと思った人は誰ですか?それはなぜですか?

☑一番心に残っている場面、出来事は何ですか?それはどうしてですか?

☑出てくる人物の中で、一番きらいな人物は誰ですか?それはなぜですか?

☑この本を読んでいるときに、「そういえば自分も似たようなことがあったな」と思ったことはありましたか?それは何ですか?

☑最後まで読み終わったときの気持ちを、色で表すと何色ですか?それはなぜですか?

☑出てくる人物の中で、かっこいい、あこがれる、と思う人物は誰ですか?それはなぜですか?

☑最後まで読み終わって、明日からの自分はこうなりたい!こんな風に自分が変わっていきたい!と思うことはありますか?

☑この本のおすすめポイントを教えてください。

構成を考える

答えの紙をばらばらに並べてみましょう。それを、並べ直して感想文の構成を考えていきます

一応、上記の質問は感想文の構成的に不自然にならないように並べてありますので、これをベースにして途中を入れ替えたりしてもよいと思います。

この作業をぜひ、お子さんに考えてもらってください。それも、文章を書く大事な練習です。

どんな順番で相手に報告すれば、分かりやすく伝わるか。それを考えるチャンスです。

清書する

あとは原稿用紙に書いていくだけです。

作成した答えの紙ごとに内容が分かれている=別の段落にする、というふうに書いていきます。

段落を変えるときは文頭を1マス下げる。

お子さんと一緒に確認しながら行ってくださいね。

書き写すときに、敬体(ですます調)or常体(である、だ調)を整えたり、助詞(てにをは、など)を確かめたりしていってください。

読書感想文が苦手なお子さんにもおススメ!感想文を書きやすい本の選び方。

できれば、自分が好きなジャンルを見付けられるといいのですが、見つからないというお子さんもいます。

そんな時のテッパンは、「教科書に出てくる作家さんの別の作品」です。名作ばかりですから、短いものでも感想文が書きやすいはずです。

たとえば、小学校の教科書に出てくる作家さんの例は…(敬称略です)

  • あまんきみこ
  • 谷川俊太郎
  • レオ=レオニ
  • 新美南吉
  • 安房直子
  • 宮沢賢治
  • いしいむつみ
  • 名木田恵子
  • 椋鳩十
  • アーノルドローベル
  • 星新一          など

中学校だと…

  • 宮沢賢治
  • 安東きみえ
  • 椎名誠
  • 井上ひさし
  • 向田邦子

もしよければ、一度読んでみてください。

また、易しめの説明文を選ぶのも感想文が書きやすいです。なぜなら、自分の生活に直結させて考えやすいから。

本選びに悩んだら、参考にしてみてください。

感想文が苦手なお子さんは、そもそも読書も苦手なことが多いようです。

読書が好きになる本の選び方は、別の記事で紹介していますので、そちらも目を通してみてください。

まとめ

読書感想文は、そんなに難しいものではありません。

一つ一つの小さな感想をまとめていくと出来上がるはずです。

ただ一つだけ。ここまで何回かお願いしましたが、ぜひ、お子さんと一緒に取り組んであげてください。

書くのが難しい場合は、先述した質問を口頭でやり取りしてみてください。

それを書き留めて感想文を仕上げるのも、よい方法ですね。

上手く書ければ、きっとお子さんの達成感につながり、成功体験になります。

ひょっとしたら、今回の感想文をきっかけにして学習に興味がわいたり、ちょっと本を読もうかな、なんて気持ちになってくれたりしたら、うれしいですね。

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